Establishment of a second-generation transgenic marmoset model with germline transmission that models polyglutamine disease.
- oyoseisyoku158
- 11月12日
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ポリグルタミン病モデルマーモセットの第二世代の論文が、Disease models & mechanismsで公開されました。(本研究は、国立精神・神経医療研究センターとの共同研究です。)
ポリグルタミン病は、いくつかの家族性脊髄小脳変性症(SCA1、SCA 2、SCA 3、SCA 6、SCA 7、SCA 17、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症)、ハンチントン病、球脊髄性筋萎縮症の総称です。ポリグルタミン病の各疾患の原因遺伝子内では、CAG配列の繰り返し(CAGリピート)回数が健常人よりも増えています。このCAG配列はグルタミンというアミノ酸を作るため、原因遺伝子産物である蛋白質の中に健常人よりも長いグルタミン鎖が挿入された、ポリグルタミン蛋白質が生成されます。このポリグルタミン蛋白質は神経細胞に蓄積すると細胞の機能を低下させ、神経細胞を脱落させることが知られています。
我々は、2016年に世界初のポリグルタミン病モデルマーモセット第一世代の作出に成功しましたが(論文紹介 | Department of Neurophysiology / 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 モデル動物開発研究部)、疾患モデル動物は、一世代限りではできる研究が制限されるため、家系を作出することが重要になります。本研究では、その第一世代から家系を樹立し、子孫に原因遺伝子と疾患症状が受け継がれることを確認した続報研究です。
安定して疾患症状を呈する家系が樹立できたことから、今後、このモデルマーモセットを用いた橋渡し研究を通じて、ポリグルタミン病や神経変性疾患に関する研究が進むことが期待されます。新たな治療法の開発にむけた研究だけでなく、病態の診断に有用なバイオマーカーや画像診断法を開発するための研究への応用も可能です。世界中の研究機関においてポリグルタミン病や神経変性疾患の病態や治療法に関する研究が進み、一日でも早く、同疾患に対する根本的な治療方法が確立することが期待されます。



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