Optimization of piggyBac transposon-mediated gene transfer method in common marmoset embryos
- oyoseisyoku158
- 2023年6月10日
- 読了時間: 2分
更新日:2023年6月13日
マーモセット受精卵への新しい遺伝子導入法についての論文が、PLOS ONEで公開されました。
マーモセットは小型の霊長類で、遺伝子改変技術により作出された神経変性疾患モデルはヒトの病態を忠実に再現できるため、大変注目されている動物です。しかし、マーモセットをはじめとする霊長類は大変貴重であり、その受精卵はほとんど採取できないため、ダメージが少なく、100%に近い効率で遺伝子改変できる技術が熱望されています。
受精卵への遺伝子導入技術には、細いガラス針を使用して核内に直接遺伝子を注入する「マイクロインジェクション法」と、電気の力を使って遺伝子を導入する「エレクトロポレーション法」の2つが代表的な方法となります。「マイクロインジェクション法」は、受精卵に細いガラス針を挿入するため、壊れたり発生しなくなったりするなど、ダメージが大きく、熟練が必要な技術です。一方、「エレクトロポレーション法」はダメージが小さいですが、受精卵は透明帯と呼ばれる保護膜に包まれているため、透明帯の外から長い遺伝子を導入することが困難でした。特にマーモセット受精卵(図B)の透明帯は、ヒトやマウス(図A)と比べて5倍ほど厚く、エレクトロポレーション法の適用が不可能でした。
そこで、私たちは透明帯の内側の空間に高濃度の遺伝子溶液を注入し(図C)、その後にエレクトロポレーション法(図D)によって遺伝子を導入する方法を確立しました。この方法は、受精卵に直接ガラス針を挿入する必要がないため、ダメージが少なく、遺伝子導入効率も70%以上と高いことがわかりました。今後、貴重な霊長類の遺伝子改変技術だけでなく、家畜や大型動物の受精卵への遺伝子導入にも有効な技術となる可能性があります。

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