FXR maintains primordial follicle dormancy via regulating FoxO3 expression
- oyoseisyoku158
- 3月18日
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【研究成果】卵巣における代謝センサー「FXR」の新たな機能を解明
~卵子の休眠を制御する仕組みの発見により、生殖寿命の延伸や不妊治療への応用に期待~
卵巣におけるFXR(ファルネソイドX受容体)の機能を解明した研究成果が、国際学術誌『Reproduction』に掲載されました。
【背景:25年にわたる「定説」を覆す発見】
FXRは、主に肝臓や腸で発現し、コレステロール・脂質・糖などの代謝制御を担う転写因子として知られています。2000年に『Cell』誌で報告された世界初のFXRノックアウトマウス(特定の遺伝子を欠損させたマウス)において、生殖機能の異常が報告されなかったことから、これまでFXRは「生殖機能には関与しない」と考えられてきました。そのため、生殖医学の分野では四半世紀もの間、ほとんど研究の対象となってこなかった遺伝子です。
【研究の内容:FXRが卵子の「休眠」を司る】
今回、我々は遺伝子編集技術を用いて独自に作出したFXRノックアウトマウスを詳細に解析した結果、通常のマウスと比較して排卵数が有意に増加していることを見出しました。
そのメカニズムを追究したところ、FXRは卵巣内で「FoxO3」という遺伝子の発現を促し、卵細胞の休眠状態を維持する役割を担っていることが判明しました。つまり、FXRは卵巣において、卵細胞の過剰な発育や排卵を抑制する「ブレーキ」のような機能を果たしていることを突き止めたのです。
【今後の展望:生殖寿命の延伸と治療への応用】
一般に遺伝子の機能を外部からコントロールすることは容易ではありませんが、FXRは特定の物質(リガンド)と結合することで、その活性を調節できる性質を持っています。すなわち、薬剤によって外から働きを制御することが可能な遺伝子です。今後、FXRの働きを弱めることで「休眠状態にある卵細胞」の成長を促したり、逆に強めることで「卵細胞の蓄え(卵巣予備能)」を体内で長く維持したりできる可能性があります。この発見は、卵巣関連疾患の新たな治療法開発だけでなく、女性の生殖寿命や健康寿命の延伸に大きく寄与することが期待されます。



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